それはゆめで、いたかった

わしたのとこひとりごと

右手の薬指の第一関節を鋭いナイフの切っ先でサッと切る
細くて強い痛みが走ってそのことに私は気が付いたのだ。

3階くらいの高さから人の海を眺める
ざわめいて狂気じみていて、わたしの一喜一憂に呼応するように手を振ってくれた
波。

確かに声をきいて、確かに痛みが走ったはずなのに。
それは全部夢だったのだ。
そしてそれは開花宣言でもあったのだ。

霧がばぁっと晴れていくように、わたしはわたしの足を自由に動かせるような気分に包まれている。
わたしの中からじんわりにじみ出て、裂けた隙間から堰を切ったように飛び出して行ってしまった
はき違えた優しさを、やさしさと勘違いしてがんじがらめになって

誰かに対する、心を込めた言葉は
その実、自分自身へ向けた言葉でもある
いつまでも素直に間違えて、触れて確かめて、堂々と怪我をして、心の底から反省をして
「ごめんなさい」「ありがとう」を伝えることをしたい
それは来世にハエに生まれても、泥に生まれても、そうだ。
どんなに深い悲しみでも、時間は助けてくれる
だから、生きなければ。

少し前かにふとしたことがきっかけで、右と左の区別がつきにくいことに気が付いた。
そんなことがすごく興味深くて、とても愛おしいと思えるようになった
わたしの秘密

*REVOLVER dino network 投稿 | 編集